2023年に実施された筆記試験(問題1)の解答例です。復習したときに、私が個人的に作ったものです。もう受験することはないと思うので、せっかくだからと思い・・記事にしておくことにしました。解説はさておき、とりあえず解答例だけ載せます。別解や誤りのご指摘等はぜひコメントまでどうぞ。
出典:Irving, A.T., Ahn, M., Goh, G. et al. Lessons from the host defences of bats, a unique viral reservoir. Nature 589, 363–370 (2021).
まえがき(注意など)
・問題は過去2年分、大学から入手できます。
・正直・・もうすこし精査が必要かと思います。
・解答欄の行数を考慮すると、すこしはみ出たり(少なかったり)するかもしれません。そこまで徹底的に作られていないのでご容赦ください。
(1) コウモリに特徴的な免疫防御機構について、日本語で説明せよ。
(解答欄:5行)
IFNのシグナリングにおける抗ウイルス性の遺伝子の発現、誘導、機能が、コウモリが宿主とするウイルスを効率的に制御している。
別解?)IFNに関わる遺伝子の発現などの変化が、コウモリが宿すウイルスを効率的に制御している。また、オートファジーが亢進しており、免疫を調節し、病原体の除去を仲介している。
(2) コウモリに特徴的な免疫防御機構について、日本語で説明せよ。
(解答欄:5行)
インフラマソームのセンサーであるNLRP3が、転写とタンパク質レベルで抑えられており、下流のcasepase-1とIL-1βも抑制状態にある。また、ナチュラルキラー細胞が抑制状態にある。
(3)コウモリが飛行に伴う高い代謝負荷にどのように適応したのか、英語で説明せよ(25 単語以内)。
・Cyclic bradycardia is induced for 5-7 minutes several times per hour during the rest, which may conserve up to 10% of available energy. (23 words)
・To compensate for cardiac stress during the flight, cyclic bradycardia is induced during the rest, which may conserve up to 10% of available energy. (24 words)
・To compensate for cardiac stress during the flight, cyclic bradycardia is induced during the rest, which may conserve much less available energy. (22 words)
・Bradycardia is induced during the rest, which may conserve much less available energy than during the flight. (17 words)
(4)コウモリのどのような性質がヒトにおけるウイルス感染症の流行につながるのか、本文をもとに自分の考えも含めて日本語で論ぜよ。
(解答欄:9行)
コウモリ、ヒトを含めた動物たちがウイルス感染症を媒介し、それらの生態系において接触が起き、感染が生じうる。 特に、ヒトは密集がおきる都会などで流行を増幅させている可能性がある。コウモリは稀な例外を除き、ウイルスに感染しても病気の症状を呈さない。症状を呈すると移動が減少するが、コウモリはそれがないため、他の動物の居住地域を行き来することによって保有ウイルスの感染を広げている可能性があると考える。
(コメント)
「自分の考え」は「症状を呈すると・・」以下に対応しています。
症状があると動物の活動=移動が減少すると考えました。コウモリはそれがないため、ウイルスをばらまくのではないかと考え、そのようにまとめました。
(5)コウモリ研究はウイルス感染症以外にもどのように役立つか、本文をもとに自分の考えも含めて日本語で論ぜよ。
(解答欄:9行)準備中。リクエストがあれば作るかも・・。